帰省といえば宮部みゆき！ということで、普段、宮部みゆき作品は、買っても読まずにとっておく。
「とり残されて」は、人の不安を誘うように不思議で、煙のようにフワリと消えてしまうような短編集。
宮部作品には、悪人がいない。犯罪者でも、犯罪にいたるまでのそれなりの経緯がある。「負の感情にとりつかれた善人」の心理は、元が善人なだけに、読者としては悪いとは思いつつ同情せずにはいられない。
さてこの本、面白いのだけれど、あまりにもフワリとしているので印象がやや弱く、このあとに読んだ短編集「地下街の雨」と混同してしまう…。
