「ステップファザー・ステップ」宮部みゆき

ステップファザー・ステップ (講談社文庫)
泥棒と双子の擬似親子の、アットホームなコメディ。抜きさしならない状況に陥る不幸な主人公が、だんだんその状況を受け入れてしまっておや大変…という典型的なストーリー。おとぎ話ということで、アリだろう。楽しいし。
ただ、泥棒(35歳)だってカッコイイっぽいし、双子(男の子)だってカワイイはずだ。それなのに一切「キャラ萌え」しないのはなぜだ。いつも言うけど、宮部作品の登場人物は、いまいち「キャラ立ち」していないんだと思う(えらそうにすいません)。
いや、でも、それでいいんだと思う。ここまで多くの宮部作品を読んで、一切キャラ人気が出るようなキャラがいないということは、それも含めて「宮部作品」なんだ。たぶん。
ブレイブ・ストーリー」の美少年君だって、正直萌えなかった。超美形、主人公の敵、性格クール(むしろ悪)、と三拍子そろってて、萌えない。というかあまり出てこない。これはある意味すごい(萌えという言葉は好きではないが便利なので使っとく)。