インファナル・アフェア

インファナル・アフェア [DVD]
インファナル・アフェア」をハリウッドでリメイクした「ディパーテッド」が上映になるので、何かと話題だけれども、
アンディ・ラウトニー・レオン

レオナルド・ディカプリオマット・デイモン
だったら、見るなら絶対絶対前者でしょう!!
というわけで、ネタバレする前に見てみた。いや、実は以前からとっくに録画していたのだけれど、なかなか見ずにズルズルと…。


開始5分にしてすでに心臓がドキドキ。ずっと心臓が圧迫されたような緊張感と、主人公ふたりの境遇にせつなさが炸裂。警官なのに潜入捜査でマフィアをやらされているトニー・レオン。長いマフィア生活ですっかりくたびれながらも、チラリと凛々しさと寂しさがのぞく。
一方、マフィアなのに警察官で、冷酷に情報を流すアンディ・ラウ。どこから見てもやり手のエリートな好青年だけど、それがすべて芝居だと思うと薄ら寒い。
この2人の芝居が良くて、どちらも潜伏先にすっかり収まりながらも、時折見せる違和感。そして、「キラキラしてない、実際にいそうな男前」というのも絶妙。


シナリオと構成が良くて、見ていて休むヒマがない。短くまとめたのがさらに良い。ただ、個人的にラストは(以下ネタバレ)ラオ(アンディ・ラウ)はイヤでもマフィアのボスにならなければいけない、というオチだったら最高だった。ヤン(トニー・レオン)のように死んでも辛いが、潜伏生活を続けるのもまた辛い。まさしくナレーションで出た「無間地獄」のようで。


とにかく渋くてかっこいい映画。派手なアクションがあるわけでもなく、また劇中に出てくる場所も少ない。そんなミニマムな映画ながら、ここまでできるのか。はー。と、感心のためいきをつくのであった。