「The Book」乙一

ジョジョの奇妙な冒険第４部のノベライズ。残酷でミステリアスなストーリーはジョジョっぽくて良い雰囲気だったのですが、スタンドのバトルは文章ではもどかしいというか、なんというか。ジョジョファンにも、ジョジョ未読の人にも楽しめるように…と配慮した結果、ジョジョファンとしてはすでに知っていることの説明が多くてヤキモキしました。あと、ジョジョであればもっと救いのある終わりの方が良かったかなぁと。「人間賛歌！」って感じの。
本としての装丁はすばらしい。ダークブラウンの表紙といい、飛び出す口絵といい、こういう凝った本ってステキですね。ちなみに私はダントツ第３部派です。第３部はすでにノベライズ化されているらしいので読んでみたい…。

ところでノベライズ作品の存在について。作中でも「同人誌とどう違うの？」というセリフも出ていたけど難しい問題ですね。私も原作アリのシナリオを書くことがあるのですが、ファンはどう思うかと常に考えながら書いてはいるものの、人によって受け取り方は違うでしょうし、後から「あ”ー、ここ違う！」と自分で思うこともありますし…。なるべく違和感を感じずに楽しんでいただければいいんですけどね…（と、語気弱めで）。