「アンの友達」ルーシー・モード・モンゴメリ 村岡花子/訳

アンの友達―第四赤毛のアン (新潮文庫)

アンの友達―第四赤毛のアン (新潮文庫)

この本にはほとんどアンは出ず、タイトルは「アンの友達」となっていますが友達ですらないくらいの、プリンスエドワード島の住人たちの短編集です。
最初は「アン出ないし…」と思い、さほど期待せずに読んだのですが、モンゴメリの自然描写の美しさと、シンプルながら愛情深いお話ばかりで楽しめました。基本的には「不幸な暮らしをしていた人が救われる話」が多く、特に「ちょっとした心の行き違いで結婚できずに年をとってしまった女性」の話がほとんど。筆者はかなり独身女性に同情的なようですね。社会的背景が今とは違うとはいえ。
個人的には「20歳の頃に結婚できなかったカップルが、40歳になって結婚できて幸せ!」と言われても、だったら断然「20歳の頃に結婚すればよかったのに!」と思わざるをえません。がしかしそんなことは言わずに物語を楽しむが吉でしょう。