「妖怪天国」水木しげる

妖怪天国 (ちくま文庫)
70〜80年代に、水木サンがあちこちに書いたエッセイを集めた本。
掲載誌も年代も内容もバラバラだけれど、「妖怪いそがし」に取り憑かれた水木サンが、「自分はなまけるのが好きなのに、何でこんなに忙しいんだ?」というオーラを出しながら書かれたであろうエッセイは興味深い。忙しいのに、小さい仕事をつい受けてしまって後悔…なんて勝手に推測しながら読んでいます。
また時代が古いので、50〜60代の頃の水木サンの様子がうかがえるのも面白い。
個人的には、荒俣宏氏に言及している文章が面白かった。「あれは太っているのではなく、むくんでいるのですな」と言いつつ、最終的に彼は妖怪だという結論に。確かに。