「被差別部落の青春」角岡伸彦

被差別部落の青春
1999年発行の本で、現在の状況を、当事者のそのままの声で書かれている。著者はとにかく、「暗い」と扱われがちなこの問題を「笑える話もあるで」と、ユーモアすら交えて紹介しているところが面白い。
現代では問題が薄れ、若者は当事者ですらあっても興味がないという。私は静岡育ちで、恥ずかしながらこういった差別問題の存在を一切知らずに兵庫の短大に行った。短大では、差別問題の授業が必須だった。授業を受けて詳しくなるにつれ、「あー私、こんな問題知らなかったら良かったのに」と思い始めた。知ってしまうと妙に意識をしてしまうのは避けられない。でも事実として知っておくべきだという気持ちもある。
今でも「教育すべきか」「あえて触れずに風化させるべきか」と論争があるようだが、私の中でもどうするべきなのかわからない。とりあえず今の若者は興味がない。それがいい方向に進めばいいと思う。