「チップス先生さようなら」ジェイムズ・ヒルトン 菊池重三郎/訳
- 作者: ヒルトン,菊池重三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1956/08/01
- メディア: 文庫
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チップス先生は、客観的に見ればたいした先生ではない。冗談が面白いのを除けば、出世もしないし、教え方は古いままで保守派だし。でもチップス先生は、六十数年間の生徒の顔と名前をおぼえている。そして生徒が卒業して名士になったり、戦死したりするのを見守り続けている。
最後にはタイトルどおり、チップス先生とのお別れがある。みんな、チップス先生は寂しくて気の毒な老人だと思ってる。私も思ってた。でもそれは違ったのだと今際の際にわかるのだ。泣けます。