「世に棲む日日(三)」司馬遼太郎

新装版 世に棲む日日 (3) (文春文庫)

新装版 世に棲む日日 (3) (文春文庫)

全4巻のうち、ずっと2巻をウーロウーロしておりました。というのも前半は主人公が吉田松陰で、後半から主人公が高杉晋作なのですが、私は吉田松陰が好きなので主人公が高杉にスイッチしたところでなんとなく止まり…ということを何度も繰り返していたのでした。しかしいざ高杉編を読んでみたところ、燃える。というかもう長州はたいへんだ。今まで非・長州の人が主人公の幕末小説は読んでいたので、ああ何か事件を起こしていた長州はこういう流れだったのか…と。そんな狂気の時代を、冷静な司馬遼太郎節でばっさりばっさり切っているのがたまらない。今作は他の作品に比べて、小説というより、筆者が時代をつづっているという感じが男らしくて良いですね(最初とっつきが悪かったのはそのせいかも)。高杉より、井上馨(聞多)が面白すぎる。司馬遼太郎の愛を感じる。愛という意味では、伊藤博文(俊輔)をこきおろしていてそれがまた、逆に面白い。


ところでamazon、1〜2巻の表紙画像は出て、3〜4巻の画像が出ないのはどういうことだー。