「サマータイム」佐藤多佳子

サマータイム (新潮文庫)
古本浪漫堂で「何かさわやかな本を!」と尋ねたらこの本を紹介されまして、この作者さんは「しゃべれどもしゃべれども」「一瞬の風になれ」等、話題作が多いので買ってみました。
内容は、小学生の男の子と、その友達と、姉の物語です。柔らかくて、自分の子供の頃を思い出させる、既視感をおぼえる文章です。以下、ネタバレなのでたたみます。
3編からなっていて、1編ごとに数年が経過しています。子供の頃のほんのひとときの、憧れや初恋を描いていて、最終章では離れた友達と再会して大団円か?と勝手に予想していたら、特にそんなことはなく、再会せず終わりました。でも、そういうもんですよね。反対にそんなドラマチックな終わり方だったらお約束すぎてガッカリしたと思うので、このサラッと感が良いのかもしれません。