デンデラ野

2005年の旅行日記を転載中。
いわゆる姥捨ての地、デンデラ野。ただの荒れ野原でしたが、近くの橋の欄干がそのままずばりなデザインで…。

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デンデラ野」


「昔は老人が六十になると
 デンデラ野に捨てられたものだという」
遠野物語拾遺二六八話)


遠野の話は尽きまじ。
……いや、嘘です。
そろそろ尽きます。



さて、遠野はデンデラ野にも行ってきた。
いわゆる姥捨て山だが伝承によると
デンデラ野のような場所は数ヶ所に存在し、
捨てた……というより、
年寄りのコミュニティをつくり
まわりの畑仕事を手伝ったりしながら
年寄り同士助け合って暮らしていたらしい。

とはいえ、デンデラ野に来たら死を待つのみ。
悲しい場所には変わりない。


そんなデンデラ野、
私が行った時には前知識がなく、
デンデラ野近くにあった橋の欄干を何気なく見て
「ヒエー!」と悲鳴をあげたくらいだった。
(写真を見ていただきたい。
 なぜよりによってモロ姥捨てなデザイン…)

東北旅行から帰ってから、
同行したダンナ(超オカルト好き)がぽつりと
デンデラ野って
有名なミステリースポットなんだよね」

なんですと!?

遠野の伝承園で買った
「新遠野物語」を読んでみると……


つづく

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デンデラ野 つづき」

「こうして夜更けにデンデラ野を通った人があると、
喜平どんの家では、ああ今度は何某が死ぬぞ
などと言っているうちに、
間もなくその人が死ぬのだといわれている」
遠野物語拾遺二六四話)


村に死ぬ人があると、近所の佐々木さんちに
シルシがあるそうである。


オカルト大好きっ子のダンナが
ホラー情報サイトで見たところでも、
いろんな話があるそうで。

私はこのことを知らなかったので、
普通の荒れ野だなーと、特に感じるところもなく
デンデラ野を後にしたのであった。



この旅行から帰ってから、
「実はあそこホラースポットだったんだよ」
と教えられた場所も少なくない。

私は怖がりではないが、
面白半分でホラースポットに行くのが嫌いなので
あえて教えられなかったのだと思う。


それにしてもたくさんのお年寄りが
家族と離れ、死を待ったであろうデンデラ野。
むしろ何もない方が不思議だ。

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現在のコメント…いわゆる遠野のデンデラ野は複数箇所あるらしく、NHKの番組「鬼太郎 幸せ探しの旅〜100年後の遠野物語〜」では、水木しげるサンが別のデンデラ野を訪れていました。