「民話の世界」松谷みよ子

民話の世界
民話や絵本でたくさんの著書がある松谷みよ子さんの本です。
日本の民話をただひたすら、古老や語り部たちから聞いたそのまま集めている「現代民話考」シリーズを読んで、「なぜ加筆修正せず、ただそのまま大量に掲載しているんだろう?」という疑問を持ったことがありました。語り継がれているそのままのお話は面白いとは思うのですが、読みづらかったり、「あれ、オチは?」みたいな話もあるんですよね。
その疑問に対しての答えがこの本にはあり、不条理であったり、謎めいていたりするそのままの民話こそ考える余地や価値があるとのこと。お話としてでなく、当時の民俗を踏まえたりすると、たしかに語られたそのままのお話の方が奥行きを感じます。
また本の終わりの方では、現代も民話が作られ続けているとのこと。身近な笑い話を例に挙げておられましたが、私も2ちゃんねるの有名名作コピペなんかは、みんなが知ってて、共感や皮肉や戒めなんかが込められていて、ある意味民話っぽいなーと思います。