「エゾヒグマ百科」木村盛武

kkato_sp2009-05-16

近所の公園内にある緑のセンターに初めて入ってみたら、中に図書室のようなコーナーがありまして、置いてある本を眺めていて見つけたのがこの「エゾヒグマ百科」です。
以前このブログでも紹介した「獣害史最大の惨劇 苫前羆(ヒグマ)事件」の著者である木村盛武氏の著書で、ヒグマによる獣害事件の紹介やヒグマの生態などが書かれています。獣害事件の紹介がかなり衝撃的で、苫前の事件はもちろんですが、「ヒグマによる五大惨劇」が紹介されていました(五大惨劇の概要はこちらのページで紹介されています)。淡々としつつも詳細な描写が小説よりも恐ろしい…。
中でも「札幌丘珠事件」は衝撃でした。明治11年(1878年)、ヒグマが円山で人を襲って死亡させ、その後平岸、月寒、白石と逃げて丘珠でさらに人を襲い…という事件なのですが、普段自分になじみのある地名ばかり出てくるので、地元民としては驚きです。今はどこも開けた住宅地ですが、昔は何もない原生林でヒグマが生息していたということが、ありありと想像できます。
また本の中盤では、ヒグマに出会ってしまったらどうするべきか?ということも書いてありまして、今やナンセンスな迷信とも言われている「クマに会ったら死んだふり」についても考察されていました。この本でははっきりと「死んだふり」を推奨はしていないのですが、過去の事例からすると「下手に逃げて襲われて殺されるよりは、死んだふりをして噛まれたり叩かれたりした方が、大怪我はするけど生き残る可能性はある」という、あくまでも生存できる可能性がちょっと高いよ、程度のようです。
本当は熟読したかったのですが、図書コーナーは貸し出し禁止ということで、仕方なくその場で一生懸命読みました。その隣では師匠が一生懸命、毒草の本を読んでいました。思わぬ穴場を発見したので、また行こうと思います。