「赤朽葉家の伝説」桜庭一樹

赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説

赤朽葉(あかくちば)家の、戦後を生きた千里眼の祖母、80年代に青春を迎えたヤンキー&漫画世代の母、そして覇気なく現代に生きる語り手である私、3代の女性の物語です。
流れるような語り口で、奇妙な女性たちの人生を怒涛のように描いています。冷静に考えると不思議すぎて漫画的ではあるのですが、その勢いの良さで読ませてしまいます。
帯に「日本推理作家協会賞受賞作」とあって、「推理作家って…?」と不思議に思っていたら、最後の最後に少しだけ、殺人事件にまつわるエピソードがあるのでした。
作中では各年代の社会風情も細かく説明してくれているのですが、テレビを見ていたらわかる範囲なので要らなかったかな?と思いつつ、これを読みつつ各世代に思いを馳せるのも面白い読み方かもしれません。