「ムツゴロウの青春期」畑正憲

ムツゴロウの青春記 (文春文庫)

ムツゴロウの青春記 (文春文庫)

しばらく「青春モノ」というリクエストで古本浪漫堂で本を紹介してもらっていました。そんな中の1冊です。
動物学者として有名なムツゴロウさんですが、学生時代は動物学か文学かで揺れていたそうで、それも納得の美しくも優しげな文章でとても読みやすかったです。


ムツゴロウさんの回想録はたくさんあるのですが、これは少年期のお話。いやースゴイ!少年時代だけでもかなり変わった人生で読み応えがあります。
戦中、満州の果てで暮らした幼少のころ。父を勉強させるために(!)働きまくった小学校時代。戦後すぐというご時世なのに彼女とおつきあいを始めた中学校時代。そして2年生の時には東大の受験勉強を完了させてしまった高校時代。
のちの奥さんである恋人とのつきあいについては、動物学者として、また人生の先輩として、若年の性愛についておおらかに、あけすけに語っています。
そういう面で、熱き血潮の中高生にオススメです!しかしムツゴロウさんの受験アドバイスは信じないほうがいいでしょう。本を読むだけで東大合格レベルの理解力というのは、並の人間には無理だから!