「ゲゲゲの女房」武良布枝

ゲゲゲの女房

ゲゲゲの女房

NHK朝の連続テレビ小説で有名になった「ゲゲゲの女房」。もちろん水木しげるファンですから、“ちゃんと見た最近の朝ドラが「オードリー」”な私も1話から全部見ましたよ!

で、本の方も読んでみましたが、奥さんの人柄か、言葉使いがとても優しくて、苦労話を語っているのにむしろ癒されます。「さすがにこれはドラマの演出だろう」と思ったエピソードが意外と本当だったりして、奥さんの苦労が忍ばれます。
水木サンが書いた自伝は何冊か読んでいるので、だいたいの流れは知っているのですが、やはり奥さん視点だとけっこう印象が違います。
例えば水木サンはマンガの中で、質屋に持って行く着物がないので長じゅばんを持って行ったら「これ小便の匂いがするようですけど」と言われたり、出産直前にお金がないので奥さんに「できるだけ腹をひきしめて生むのは1日でも延ばすんだぞ」と言ったり…。読んでる方は「アハハ」ですが、改めて奥さん視点で見ると笑い事じゃないですね。ただ、奥さんの方であまりそういうことを書いていないところを見ると、この辺は水木サンがおもしろおかしく描いちゃってるのかもしれませんね。


さて、水木サンの自伝はたくさんあるので、どれを読めばいいのかが悩むところです。真のファンなら全部買うんでしょうが…。純粋な自伝で、私が持っているのは以下の2冊です。

ほんまにオレはアホやろか (新潮文庫)

ほんまにオレはアホやろか (新潮文庫)

ねぼけ人生 (ちくま文庫)

ねぼけ人生 (ちくま文庫)

内容はほぼ同じですが、文章は違います。見比べてみると、「ねぼけ人生」の方が少し少年時代が長いようです。個人的な印象ではありますが、「ほんまにオレはアホやろか」の方が、テーマが「自分の落ちこぼれっぷり」なので、自嘲気味だったり、人生の悲哀が強く、味があるような気がします。なのでオススメの水木しげる自伝の楽しみ方は、少年時代は「のんのんばあとオレ(マンガ)」を読み(フィクションですが…)、その後は「ほんまにオレはアホやろか(エッセイ)」を読むというのはどうでしょうか。
水木ファンの方、他にいい読み方があったらぜひ教えてください。


ちなみにホントに水木しげるの資料としていいのは「大!水木しげる展」の図録だと思うのですが、こちらは市販していないので、それを再編集した「水木しげる [妖怪]人生絵巻」をオススメしよう…と思ったら、この本もamazonでは中古しかないみたいです。

水木しげる [妖怪]人生絵巻

水木しげる [妖怪]人生絵巻