「永遠の出口」森絵都

永遠の出口 (集英社文庫(日本))

永遠の出口 (集英社文庫(日本))

フロム古本浪漫堂
70〜80年代に小学生〜高校生時代を送った少女のお話で、私はどんぴしゃな世代です(ちょっと私の方が年下かも?)。
女友達との微妙な関係に戸惑い、おばさん教師の恐怖政治におびえたりする小学生時代。なぜか急展開で不良に足をつっこんだり、今思うと「?」な恋愛に夢中になった中学時代。バイトに明けくれ、一方で両親の夫婦仲が危うくなった高校時代…。
1人の人生にしては多岐に渡りすぎていて、「平凡な女の子のわりには盛りだくさんだな!」とつっこみたくなったりしますが、その分どんな人でも、自分の子供時代を重ねて読めるかもしれません。特に小学生時代は、放課後の乾いた空気や、背中にしょったランドセルの重みが思い出されました。
ひょうひょうとした女の子の一人称もユーモラスで、ネタバレになるので書きませんが、大人になったエピローグの最初の2行は、人を食っていて笑いました。同年代の人にはおすすめです。